月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】株式会社パワーズフジミ

2013年5月28日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1988年に設立。新潟県内において、食品スーパー「パワーズフジミ」を運営。生鮮の安売りと他社不採算店舗の買収等により業容の拡大を図り、2012年には17店舗を有していた。
・売上高は、ピーク時の2004/4期において196億円を計上していたが、その後は消費低迷等の影響から、減収基調を余儀なくされていた。
・かかる中、親会社の㈱モリヤの倒産による信用力悪化も相俟って、資金繰りは困窮をきわめ、仕入先に対する支払遅延を発生させるなど、事業継続が困難となり、今回の措置へと至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
流動比率(%)
2012/4 13,548.7 47.1 35.7 5.7 6.5 0.8 2,783.8 47.6
2011/4 14,191.5 9.0 19.4 7.7 5.9 0.9 2,549.5 53.8
2010/4 15,765.7 ▲3.4 16.1 10.3 5.9 0.9 2,435.2 49.0
2009/4 16,386.3 10.6 27.5 1.4 6.0 0.6 2,214.6 37.9
2008/4 17,644.9 ▲42.5 ▲56.4 929.4 5.6 0.6 2,323.9 39.0
2007/4 17,213.5 ▲211.7 ▲119.0 ▲123.4 ▲31.6 1.3 2,524.6 42.9
2006/4 17,690.5 ▲202.9 ▲118.1 ▲504.1 ▲26.3 1.3 2,571.0 49.0
2005/4 19,438.7 ▲265.4 ▲177.1 ▲173.0 ▲6.0 1.0 2,850.1 58.6
2004/4 19,676.1 ▲270.9 ▲128.5 ▲164.1 0.1 0.9 2,884.7 58.8
2003/4 17,111.2 ▲110.0 60.4 31.4 7.0 0.7 2,379.1 66.7

コメント

・2008/4期までは、相応の売上を確保しながらも、恒常的な赤字状態であった。
・モリヤグループの傘下となった2009/4期以降は、減収基調を余儀なくされるも、収益構造の改善により、一応の黒字転換を果たしていた。
・しかし一方で、自己資本比率は低水準で推移し、流動性においても手元現金が乏しく、資金繰りは脆弱な状態にあった。

3.データの分析

・本ケースの特徴指標として、「流動比率」に注目した。
・当社の業態特徴として、現金取引であることが挙げられる。小売業など、販売時に現金を即時回収できる業種においては、売上の拡大につれて資金繰りが潤沢になる。つまり、流動性が高くなりやすいといえる。
・しかし、当社においては、流動比率が50%程度しかなく、売上が安定していない状況においては、仕入決済に支障をきたす恐れがある状態であったといえる。
・その原因として、成長期に獲得していた現金を店舗買収等へ投下したことが推測できる。
・以下の表は、「流動比率」に関する倒産確率を示したものであり、この結果からも、指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○流動比率(集計期間:2011/10~2012/9)・・・2012/4期 47.5%
流動比率全体50%未満50%以上~100%未満100%以上~150%未満150%以上~200%未満200%以上
倒産倍率 1.00倍 2.13倍 1.33倍 0.87倍 0.74倍 0.77倍
 

4.総評

・本来、設備投資は、事業収益の蓄積(自己資本)もしくは金融機関等からの長期資金で賄うことが望ましいとされている。
・本ケースについては、過去に赤字を恒常的に計上していたがために、自己資本の蓄積が乏しく、また業績面での評価も低いことから金融機関からの長期資金調達も容易ではなかったことが推測される。
・かかる中で、現金収入獲得のために店舗展開を図ろうと、本来運転資金であるはずの現預金を設備投資の一部原資として充てたことから、流動性の悪化に繋がったものと考えられる。
・店舗買収により業況が好転すれば投資効果として流動性の回復も期待できたが、元々不採算であった店舗の再建は容易ではなく、当初目論んでいた通りの投資回収が得られなかったことが、資金繰り悪化に拍車をかけたものと考えられる。
・本ケースは、財政面の悪化を読み取ることは難しくないため、上記のような原因の分析まで望まれるケースといえよう。

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