月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)ピーディーホーム

2013年8月30日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1989年設立の建築工事業者。岐阜県、愛知県を中心に展開し、3ヵ所のショールームを設置。ローコスト住宅の建築工事を主体として業容を拡大し、その他に不動産仲介等を手掛けていた。ピーク時の2007/8期には売上高29億円を計上していた。
・近年の戸建住宅業界は、世界的な金融不安や消費低迷を主因に、新設住宅着工戸数は大幅に減少。その後、低金利や震災復興特需、住宅版エコポイント制度により増加に転ずるも、2006年以前の水準は、大きく下回っている。
・業界の動向や同業者間の競争激化に伴い、受注量は減少し、大幅減収により最終利益はトントンの状態が続いていた。支払金利負担等が重く、資金繰りが逼迫状態にあった中、7月上旬の1回目の不渡り後、取引先からの支援が打ち切られるなど先行きの見通しが立たたなくなり、今回の措置となった。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
運転資金
回転期間
(ヵ月)
経常収支
(百万円)
2012/8 1,381.4 33.4 5.4 0.4 8.0 5.7 1,966.0 9.8 ▲19,850
2011/8 1,489.4 49.8 16.1 0.4 8.0 5.4 1,940.4 8.6 ▲28,515
2010/8 1,761.7 47.5 15.2 0.2 8.5 3.9 1,826.1 6.6 ▲164,648
2009/8 2,291.4 47.2 27.0 0.1 8.9 2.3 - 4.3 22,998
2008/8 2,732.2 15.6 10.2 3.6 3.3 1.5 - 5.4 45,307
2007/8 2,905.7 32.5 7.9 6.5 3.6 1.4 - 4.7 ▲212,096
2006/8 2,759.0 18.5 19.2 8.4 3.9 1.3 - 3.2 190,584
2005/8 1,973.2 19.3 18.2 4.3 3.9 1.8 - 3.7 ▲43,830
2004/8 2,025.2 10.6 11.0 5.8 1.9 1.2 - 3.8 241,259
2003/8 1,751.2 11.0 9.6 2.6 2.1 2.1 - 3.2 -

コメント

ピーク時(2007/8期)は29億円の売上を計上するも、その後は、減収基調で、2012/8期には、ピーク時の半分以下にまで低下していた。また、利益は、毎期なんとか黒字を計上するも、当期利益はトントンの状態が続いていた。最終利益においては、一応の黒字を計上した期も見受けられるが、利益率は0.1%程度であり低位。また、過去より赤字を散発していたことから、自己資本が棄損し、長期にわたって債務超過状態が続いていた。 

3.データの分析

・本ケースの特徴として「売掛債権回転期間」、「経常収支」に注目した。
・売掛債権回転期間は長期化しており、2012年8月期では9.8ヵ月と業界平均の1.0ヵ月を大幅に上回るなど、相応の資金負担が発生していた。その間、買掛債務回転期間も同様に長期化していることから、仕入先の支援により支払いを遅らせることで、資金繰りを繋いでいたと考えられる。
・また、経常収支は3期連続のマイナスとなっている点や2013年に入り、支払面の不安情報を複数入手していたことからも、資金繰りは相当逼迫していたと推察できる。

○総合工事業の売掛債権回転期間(集計期間:2012/4~2013/3)
売掛債権回転期間全体0ヵ月未満2ヵ月まで2ヵ月~5ヵ月6ヵ月~8ヵ月9ヵ月~11ヵ月
倒産倍率 1.00倍 1.20倍 0.86倍 1.43倍 2.61倍 2.90倍
○総合工事業の直近及び前期の経常収支(集計期間:2012/4~2013/3)
運転資金
回転期間
全体2期連続
プラス
直近期プラス
・前期マイナス
直近期マイナス
・前期プラス
2期連続
マイナス
倒産倍率 1.00倍 0.59倍 0.87倍 0.98倍 1.86倍

4.総評

・本件は、消費低迷等で業界環境が悪化する中、減収基調・低収益で推移する業績、低水準な自己資本比率、借入過多などから、動向警戒先としてF格を付与することは比較的容易であったケースである。
・売掛債権回転期間が業界標準に比し、長期である点や経常収支のマイナスが続いている点などから資金繰りが厳しかったことも推察できる。

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