月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】フーセンウサギ(株)

2013年10月25日更新

1.会社概要、倒産経緯

1921年1月創業のベビー用品卸売りの老舗企業。新生児向け衣料の最高級品である自社ブランド「CELEC(セレク)」やライセンスブランドを取り扱っており、全国各地のショッピングセンターをはじめ直営店も多数出店していた。ベビー服の企画デザインなどは自社および取引先との共同企画で手がけ、生産は海外現地法人を中心に外注へ委託。ピーク時の2000/2期は、約266億円の売上高を計上していた。販売形態も多角化し、インターネット通販を開始したものの、少子化に加え、安価なベビー用品を扱うチェーン店の台頭の影響を受け、業績の悪化に歯止めがかからなかった。企業再生ファンドの出資の下、抜本的な経営改善策を企図したものの、業績は回復せず、取引先への支払遅延が発生するなど、資金繰りに窮し、今回の措置に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
売掛債権
回転期間
(ヵ月)
営業
利益率
(%)
2013/2 6,213.9 ▲118.3 ▲271.7 ▲1,968.4 45.6 2.1 4,355.8 3.6 ▲1.9
2012/2 6,850.2 184.0 139.3 ▲185.6 60.6 2.6 6,515.0 2.9 2.7
2011/2 7,288.4 ▲579.4 ▲649.8 131.9 66.2 1.7 6,249.0 2.2 ▲7.9
2010/2 9,050.4 ▲1,039.5 ▲1,135.0 ▲1,503.3 48.8 3.3 8,210.6 1.6 ▲11.5
2009/2 11,837.0 ▲713.1 ▲750.3 ▲789.0 56.0 2.6 9,894.3 1.4 ▲6.0
2008/2 11,353.8 ▲1,099.6 ▲1,118.9 ▲1,274.7 55.8 2.6 11,476.8 1.7 ▲9.7
2007/2 12,068.0 ▲958.8 ▲918.6 ▲2,555.7 60.3 2.8 13,244.7 1.5 ▲7.9
2006/2 14,517.1 ▲2,453.6 ▲2,442.1 ▲3,702.7 59.1 3.0 16,118.4 1.4 ▲16.9
2005/2 17,703.1 ▲1,277.3 ▲1,263.4 ▲3,442.7 65.8 2.3 19,747.3 2.1 ▲7.2
2004/2 19,002.5 ▲272.7 ▲223.6 ▲465.8 72.0 1.0 23,013.3 2.3 ▲1.4

コメント

2013/2期の売上高は、ピーク時(2000/2期)の約2割にまで落ち込んでおり、業容の急激な縮小が見受けられる。また、営業利益段階からの赤字計上が恒常化しており、自己資本は、年々毀損していた。また、固定資産売却による借入返済などから、金融調達が厳しい状態にあり、資金繰りにおいて懸念の生じる財務内容となっていた。

3.データの分析

本ケースの特徴として、「売掛債権回転期間」及び「営業利益率」に注目した。
・売掛債権回転期間においては、2009/2期以降、増加基調にあることから、大手百貨店以外での販売先を増加させた結果、取引条件の悪化や不良債権が発生したことが推測できる。
・また、当社は営業利益段階から連続赤字となっている。連続赤字の原因としては、①大幅な売上高の減少②嵩んだ販管費(粗利益段階においては、業界平均の粗利益22.1%に対して、53.3%と高い水準にある)が考えられる。
・下表は、各データの倒産確率を集計したものである。この結果からも当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○営業利益率(集計期間:2012/10~2013/09) 2013/2期 ▲1.9%
営業利益率赤字0~1%1~3%3~5%5%以上
倒産倍率 1.00倍 1.58倍 0.84倍 0.79倍 0.54倍
○売掛債権回転期間(集計期間:2012/04~2013/03) 2013/2期 3.6ヵ月
売掛債権回転期間全体1ヵ月以下1~2ヵ月2~3ヵ月3~5ヵ月5ヵ月以上
倒産倍率 1.00倍 0.94倍 0.89倍 1.20倍 3.12倍 3.12倍

4.総評

・繊維業界においては、男女共同社会や雇用機会の均等などで晩婚化は進む一方で、出生率の低下が避けられないため、ベビー服・子供服の需要も低下基調となっている。一方で、根強いブランド思考も見受けられ、商品によっては活発な需要があるケースも見受けられる中、当社においては、業界内では知名度を有する老舗企業であり、ブランドを有しているのにもかかわらず、業績は不芳となっていた。
・当社の商品に対する評判は、『安くて良質である』と、相応の評価は有していた企業であった。しかし、競合の台頭により売上は伸び悩んでいたことから、結果としてその商品力に競争優位性は乏しかったものと思料される。
・その後、企業再生ファンドによる経営方針の変更(販売形態を多角化、リストラ等)を行なうも、赤字体質から脱することはできず、大手百貨店以外での販売先を増加させた結果、売掛債権は増加し、資金繰りにおいても厳しい状況となり、倒産に至っている。

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