月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)青蔵屋

2013年12月27日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1973年創業の豆腐製造業者。豆腐、油揚、厚揚の売上が95%を占め、主に関東近郊の量販店に対し販売していた。
・昨今は、デフレに伴う価格の過当競争が進む中、原材料である大豆相場の高騰に対して、原価の上昇を販売価格に転嫁できず、赤字を散発するなど、総じて低収益状態を余儀なくされていた。
・かかる状況下、得意先の相次ぐ倒産による多額の貸倒れや機会損失も相俟って、手元現金は乏しい状態が続き、支払遅延も噂されるなど、資金繰り難は明白であった。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
借入
金利率
(%)
現預金
回転期間
(ヵ月)
2012/11 1,868.0 ▲40.3 ▲30.3 ▲40.3 6.2 3.6 967.8 5.4 0.04
2011/11 2,083.2 1.8 12.8 12.8 10.1 2.9 994.1 4.0 0.08
2010/11 1,887.8 18.6 19.6 19.5 8.5 4.0 1,026.5 3.7 0.05
2009/11 1,812.5 19.6 20.9 20.1 6.6 4.4 1,023.6 3.9 0.01
2008/11 1,654.4 ▲85.4 ▲91.2 ▲95.6 4.1 6.2 1,158.6 3.7 0.38
2007/11 1,389.9 ▲17.2 0.2 0.6 12.2 7.7 1,173.8 2.3 0.75
2006/11 1,335.4 26.4 24.8 2.2 12.7 7.1 1,123.1 3.5 0.46
2005/11 1,481.2 2.1 5.6 5.6 15.5 4.7 909.8 3.7 0.26
2004/11 1,619.4 ▲1.3 24.6 22.4 14.4 4.0 937.4 4.1 0.19
2003/11 1,920.4 ▲58.5 ▲57.0 ▲54.9 10.4 4.2 1,083.6 3.5 0.26

コメント

・2011/11期にピークの売上を計上するなど、近年は相応の売上水準を確保するも、利益は後退していた。
・過去より赤字を散発していたことから、自己資本比率は低水準で推移し、流動性においても手元現金が乏しく、資金繰りは脆弱な状態にあった。

3.データの分析

・本ケースの特徴として「現預金回転期間」及び「借入金利率」に注目した。
・価格の過当競争により、十分な利益を確保できない中、不良債権の発生や赤字計上により資金繰りが脆弱化し、近年、手元資金は月商の0.1ヵ月未満という極めて低い水準で推移していた。
・また、近年借入金利率が年々上昇していることから、低収益状態の継続により、自己資本の蓄積が進まなかった結果、金融機関から十分な与信を得られず、資金の調達条件が悪化していたことが想定される。支払利息は、営業利益と同水準以上の額にあったことから、収益面においても借入負担は非常に重い状態であったものと考えられる。
・以下の表は、「現預金回転期間」及び「借入金利率」に関する倒産倍率を示したものであり、この結果からも、指標が倒産分析に有効であるといえよう。。

○現預金回転期間(集計期間:2012/4~2013/3) ・・・ (2012/11期)0.04ヵ月
運転資金回転期間全体0.6ヵ月未満0.6ヵ月~1ヵ月1ヵ月~2ヵ月2ヵ月~3ヵ月3ヵ月以上
倒産倍率 1.00倍 1.39倍 1.12倍 0.84倍 0.68倍 0.74倍
○借入金利率(集計期間:2012/4~2013/3) ・・・ (2012/11期)5.4%
借入金利率全体1%未満1~2%2~3%3~5%5%以上
倒産倍率 1.00倍 0.72倍 0.58倍 1.22倍 2.05倍 1.84倍

4.総評

・本件は、デフレによる価格の過当競争により、収益の弾力性が乏しくなっていた中で、原材料の高騰を収益で吸収できなくなったことで、資金繰りが悪化し破綻したケースである。
・現在の豆腐業界の戦略は、廉価品によるシェアの確保と高価なブランド品による単価の確保に、大きく二分されているといえる。当社は、前者に属し、関東一円の大手量販店向けに売上基盤を有することで、売上高20億円規模のシェアを獲得してきた。
・昨今では、長引くデフレの影響から価格の過当競争となり厳しい収益状況を余儀なくされてきたが、経営努力により、売上高を大きく下落させることなく推移していた。
・しかし、一方で価格競争により、当社商品における収益の弾力性は徐々に失われていき、従来通りの利益水準の確保も難しくなっていたことで、大豆の高騰を販売単価の転嫁せざるを得なくなるも、売上基盤維持のために価格の転嫁も行えない状態となり、一層の採算悪化につながったものと考えられる。
・売上水準を維持し得たものの、その一方で採算性を犠牲にしたことで収益が悪化し、資金繰りが破たんした典型的なケースとして捉えることができよう。

PDFダウンロード

※PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader(無償)が必要です。Adobe Readerのダウンロードページよりダウンロードが可能です。

前のページへ戻る

エンタメコンテンツ 企業なんでも診断 婚活スカウター 最新情報はこちら
RMI情報 twitter
Pagetop