月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)ハセック

2014年1月31日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1990年1月設立。滋賀県に本拠を置き、省力化機械や電気制御機器等、工場や事業所で使用される産業用機械の製造を主力として、総合電機メーカーを中心に大手企業に販路を築いていた。2010年には、タイに現地法人を開設するなど事業を拡大していた。
・業種柄、高額な設備投資が必要であり、なおかつ、大型機械の製造は、リードタイムが長く、資金負担が生じやすいため、借入に依存する経営体質となっていた。
・かかる状況下、過去二度にわたり技術不足を起因とする設計ミスや品質基準の未達などが生じ、大幅な赤字を計上。2013/3期には債務超過に転落していた。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
借入
依存度
(%)
流動比率
(%)
2013/3 1,513.3 ▲272.0 ▲289.4 ▲731.2 ▲46.8 14.3 1,300.7 138.9 58.1
2012/3 1,395.4 9.6 44.0 43.8 5.3 18.2 2,331.3 90.8 112.5
2011/3 3,227.8 ▲25.2 ▲54.2 ▲311.1 3.0 9.0 2,623.5 92.1 107.2
2010/3 1,857.1 32.1 26.7 15.8 14.8 14.1 2,552.7 82.6 99.1
2009/3 1,687.6 198.0 178.5 102.5 13.6 16.1 2,760.1 81.8 101.7
2008/3 1,826.3 316.4 287.4 89.7 13.5 10.6 2,019.0 79.9 99.9
2007/3 2,018.2 212.1 202.3 100.8 9.7 8.9 1,889.3 79.4 75.4
2006/3 1,247.8 82.8 63.7 49.7 6.3 8.1 1,233.7 65.0 93.7
2005/3 1,013.5 50.2 30.2 ▲65.2 3.3 9.6 906.8 82.2 88.4
2004/3 875.1 31.6 16.0 5.1 10.0 11.0 973.3 82.3 96.8

コメント

・過去より自己資本比率は低水準で推移し、2013/3期には大幅赤字により債務超過に転落した。
・2011年と2013年には、技術不足による作り直しが発生し、営業利益段階から赤字を計上した。

3.データの分析

・本ケースの特徴として、「借入依存度」及び「流動比率」に注目した。
・大型機械受注における運転資金の発生など、元々資金需要が高くなりやすい特性を有する斯業種において、当社も従来から資金繰りが脆弱な状態が続いていた。かかる中で、さらなる生産性向上のための投資が嵩み、近年借入依存度は高い水準で推移していた。
・また、流動比率においては、2012/3期まで概ね100%を維持してきたものの、2013/3期に技術不足を起因とする作り直しにより大幅赤字決算を余儀なくされたことで、金融機関からの与信低下を招き、手元流動性の悪化に繋がったことが、流動比率の大幅低下に表れているものと考えられる。

○借入依存度(集計期間:2012/4~2013/3) ・・・ (2013/3期)138.9%
借入依存度全体無借金40%未満40~70%70~100%100%以上
倒産倍率 1.00倍 0.12倍 0.38倍 1.44倍 1.97倍 2.17倍
○流動比率(集計期間:2012/4~2013/3) ・・・ (2013/3期)58.1%
流動比率全体50%未満50~100%100~150%150~200%200%以上
倒産倍率 1.00倍 1.90倍 1.71倍 1.07倍 0.86倍 0.61倍

4.総評

・本件は、運転資金の不足を借入に依存するという体質の中で、技術不足による大幅赤字が資金調達を妨げ、一層資金繰りを逼迫させたケースである。
・当社製品は、受注生産であり、リードタイムも長いことから、資金需要が生じやすい。また、相応の製造ラインが必要であることに加え、品質要求水準が厳しいため、多額の設備投資資金を要する特性を有している。
・当社の様な中小メーカーでは、大口受注に対しては、低コスト低採算により価格競争力を創出していることが多いが、低コストが品質低下を招き、採算の悪化に繋がることがある。本ケースにおいても、2011年、2013年の大幅赤字計上は、このような状況下で発生したものであることが想定される。
・本ケースのように、資金需要が旺盛な業種においては、借入水準が高くなりやすい傾向が見受けられる。業績が堅調に推移している間は、金融機関の支援を見込むこともでき得るが、一たび業績悪化に転じると金融機関からの与信が低下し、資金繰りの逼迫に直結しやすくなることから、業績動向には特に高い注意意識が必要な業種であるといえよう。

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