月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】小島綜合建設(株)

2014年5月30日更新

1.会社概要、倒産経緯

1965年4月に設立、北海道の公園やゴルフ場などの公共施設を主に施工していた土木建設業者。2009/3期には8億7千万円の売上高を計上していたものの、公共工事受注の減少などからその後の業績は悪化を余儀なくされていた。営業利益段階からの赤字散発により、自己資本の毀損が進み、経営状況が悪化していたことから、周囲から経営動向が注目されていた。資金繰りの逼迫に対して、2012年には金融円滑化法を利用したものの、抜本的な改善には至らず今回の措置に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
増減収率
(%)
粗利益率
(%)

2013/3

597.4 ▲30.4 ▲35.4 ▲35.7 7.2 6.0 492.6 -9.6 0.9
2012/3 661.0 13.7 5.9 5.5 14.0 5.5 509.3

1.0

7.5
2011/3 654.4 ▲52.1

▲59.5

▲66.4 13.5 4.9 485.1 -9.5 -2.2
2010/3 726.5 1.6 ▲6.5 7.8 22.0 4.4 600.3 -17.6 5.1
2009/3 877.9 14.8 5.2 5.0 20.0 4.1 621.1 16.6 6.1
2008/3 753.0 11.3 4.4 4.1 22.5 4.2 530.7 3.9

7.5

2007/3 724.0 ▲37.6 ▲42.5 ▲42.8 24.4 4.1 471.6 -6.4 0.9
2006/3 774.0 4.0 1.4 13.3 34.3 2.9 460.5 14.9 6.7
2005/3 673.8

▲17.8

▲20.3 ▲73.5 38.1 20 335.7 -11.3 4.1
2004/3 759.6 ▲36.5 4.8 12.4 43.1 1.7

408.2

- 1.5

コメント

・2009/3期以降は減収基調で推移しており、営業利益段階からの大幅な赤字を散発していることから、本業における収益力が乏しい状態であったことが見受けられる。
また、多額の赤字計上により自己資本を大きく毀損し、借入への依存度も高まったことから、資金繰りは不安定な状態にあったことが推測される。

3.データの分析

・本ケースを分析する財務指標として、「増減収率」および「粗利益率」に注目した。
・建設業界において、工期が長い場合には、工事進捗度に応じて当期の売上高を計上する企業が多く、売上高が乱高下するケースは少なくない。それは当社においても例外ではないが、基調として減収で推移していることから(2013/3期は2009/3期に比して32%減)、業種特性によるものだけではなく、公共工事の受注減等による要因が大きく影響しているものと考えられる。
・また、粗利益率がきわめて低位であることから、採算性の低い施工が多くを占めていたことなどが、営業利益段階からの赤字散発に繋がった要因であると推測される。
・下表は、「増減収率」および「粗利益率」の倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○増減収率(集計期間:2012/04~2013/03)・・・2013/3期 ▲9.6%
増減収率全体▲10%超▲5%~▲10%▲5%~+5%+5%以上
倒産倍率 1.00倍 1.55倍 1.29倍 0.97倍 0.59倍
○粗利益率(総合工事業種:集計期間:2013/4~2014/3) ・・・ 2013/3期 0.9% 業界平均:18.9%
粗利益率全体0%未満0%~5%5%~10%10%以上
倒産倍率 1.00倍 2.26倍 1.51倍 1.13倍 0.66倍

4.総評

・本ケースは、受注を官公庁に依存していたことが主因となり、抜本的な業績回復を図れずに倒産に至ったケースである。
・昨今の公共工事入札においては、行政による予算圧縮の影響から、受注金額の低下、採算性の悪化を招いている。
・当社は、公共工事を主要取引としており、民間事業に対する販路が脆弱であったものと推測すると、受注不足による減収、もしくは、技術力不足による利益率の低下などが、業績不芳の要因となっていたことが想定される。
・建設業においては、公共工事か民間工事か、元請か下請か、によってその収益構造は大きく異なる。主要販売先の構成や採算性の推移を注意深く確認することは、受注環境の変化や業績実態の変化に気付く、有用な手段といえよう。

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