月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】㈱H.S.K (旧:八田産業㈱)

2014年7月31日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1950年創業のパチンコ店運営会社。「マルハチ」の店名で大阪市内にパチンコ店を4店舗展開していた。
・ピーク時には、売上高約300億円を計上するなど、事業を拡大していたが、景気低迷による個人消費の落ち込みや、規制強化による客足の減少に加え、近年は低価格での遊技需要が増加したことなど顧客単価の低下も相俟って、減収に歯止めがかからない状態が続いていた。
・業種柄、遊技台等に対する設備投資を定期的に行う必要があったことから、借入依存が高い状態が続いており、資金繰りを圧迫していた。
・近年は事業譲渡などにより、業態を縮小しながら再建を図っていたが、資金繰りに行き詰まり、今回の措置に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
増減収率(%)
2013/7 3,500.0 - - - - - - - ▲36.4
2012/7 5,500.0 - - - - - - - ▲8.3
2011/7 6,000.0 - - - - - - - ▲14.3
2010/7 7,000.0 - - - - - - - ▲12.5
2009/7 8,000.0 - - - - - - - ▲20.0
2008/7 10,000.0 - - - - - - - ▲33.3
2007/7 15,000.0 - - - - - - - ▲25.0
2006/7 20,000.0 - - - - - - ▲9.1
2005/7 22,000.0 - - - - - - ▲3.1
2004/7 22,700.0 - - - - - - ▲0.4

コメント

・開示姿勢が悪く、売上高のみの開示が続いていた。
・毎期、減収基調で推移し、減収率は、2004/7期227億円から直近期35億円までで▲84.6%におよび、業績の悪化に歯止めがかからなかった。

3.データの分析

・本ケースを分析する財務指標として、「増減収率」および「当期純利益率」に注目した。
・下表は、各データの倒産確率を集計したものである。
・2009/7期~2013/7期の5期分の平均売上高と、2013/7期の直近の売上高を比較すると、42%の減少と急激な業績の悪化が見受けられる。下表より、減収率が大きいほど倒産確率が顕著に増加していることが読み取れる。
・利益非開示の企業の倒産確率は、赤字企業より高く、利益非開示の企業には注意が必要であるといえる。
・この結果からも当指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○増減収率(5期平均比) (集計期間:2013/4~2014/3)・・・2013/7期 42%減収
増減収率全体▲30%未満▲30~▲20%▲20~▲5%▲5~+5%+5%以上
倒産倍率 1.00倍 3.28倍 1.86倍 1.10倍 0.65倍 0.35倍
○当期純利益率 (集計期間:2013/4~2014/3)・・・2013/7期 利益非開示
当期純利益率全体利益非開示赤字0~0.5%0.5~2%2%以上
倒産倍率 1.00倍 1.42倍 1.28倍 0.72倍 0.40倍 0.57倍

4.総評

・本件は、遊技台に対する設備投資が嵩んだことで借入が増大し、資金繰りが逼迫、倒産に至ったケースである。
・斯業界は、景気低迷による個人消費の落ち込みや、規制強化を主因に来客数が減少し、低迷が続いている。そのため、各社とも新台入替や増台、改装・リニューアルなど積極的な設備投資を行い、売上の確保を図っている。当社においても、同様の方法で売上確保を図ったが、周辺の大手パチンコチェーン等との競合によって、十分な集客を得られずに投資の短期回収がままならない状態が続き、資金繰りは一層逼迫していった。
・本件のように、定期的な設備投資が必要な業界においては、十分な投資効果が得られないと、借入水準が高くなり、資金不足が生じやすくなる傾向にある。特に、減収が続いている場合は、利益情報や財務情報が非開示であっても、業績動向に注意し、資金繰りに影響が出ていると想定することが必要であるといえよう。

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