月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】㈱カキヌマ

2014年12月26日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1966年7月設立の建築材料の卸売業。大手ハウスビルダーや建売業者を中心に、主にプレカット加工材の販売を行っていた。
・リーマンショックの影響による住宅着工件数減少から減収推移を余儀なくされるなか、固定費削減に努め利益の捻出を図ったが、資材価格の高騰も相俟って、抜本的な改善には至らず継続的な赤字決算となっていた。
・かかるなか、2014年2月に発生した大雪による雪害でプレカット工場の稼働停止を余儀なくされたことが、業況悪化に追い打ちをかけ、今回の措置に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
増減収率
(%)
現預金
回転期間
(百万円)
2014/3 1,462.9 ▲61,251 ▲63,547 ▲80,743 0.2 4.7 1,174.2 ▲20.3 0.3
2013/3 1,835.5 25.3 4.2 7.8 7.6 3.6 1,097.9 ▲17.3 0.3
2012/3 2,218.8 ▲180,881 ▲86,114 ▲70,773 5.4 3.1 1,383.5 ▲10.0 0.5
2011/3 2,466.0 ▲48,534 ▲63,935 0.6 8.3 3.5 1,758.1 1.0 0.3
2009/3 2,442.4 ▲34,026 ▲35,700 ▲67,148 7.3 5.4 1,966.8 ▲12.6 0.9
2008/3 2,793.3 ▲101,468 2.2 0.6 10.0 5.0 2,098.6 ▲13.3 0.9
2007/3 3,222.0 14.8 2.4 1.4 8.2 4.8 2,560.1 0.8 1.0
2006/3 3,195.0 - - 1.5 - - - ▲2.8 -
2005/3 3,288.4 - - 0.5 - - - 8.4 -
2004/3 3,034.0 - - 1.9 - - - 4.1 -

コメント

・減収基調に歯止めがかからず、大幅赤字が続いていた。
・大幅赤字の散発によって、2014/3期では自己資本は大幅に毀損しており、ほぼ債務超過状態であった。
・収支悪化に伴い、資金繰りが脆弱化している点が、現預金回転期間が低位で推移している点から読み取ることができる。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として、「増減収率」、「現預金回転期間」に着目した。
・企業における収益の源泉は売上にあり、一般的に売上の低下は資金繰りの悪化をもたらすものと考えられる。本件においては、2008/3期以降10%を超える減収が続いており、それに伴う現金収入の低下によって資金繰りが悪化していたことが想定される。
・資金繰りの悪化に対して資金調達を図ろうとするも、大幅赤字の散発によって自己資本が毀損し、金融機関からの信用が低下していたために資金調達がままならず、それによって現預金の保有は低水準を余儀なくされていたことが、現預金回転期間に表れているものと考えられる。
・下表は、「増減収率」および「現預金回転期間」の倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○増減収率(集計期間:2013/4~2014/3)・・・2014/3期 20.3%の減収
増減収率全体20%超減収10%~20%減収10%減収~10%増収10%以上増収
倒産倍率 1.00倍 2.23倍 1.43倍 0.87倍 0.58倍
○現預金回転期間(集計期間:2013/4~2014/3) ・・・ 2014/3期 0.3ヵ月
現預金
回転期間
全体0.5ヵ月未満0.5~1.5ヵ月1.5~3ヵ月3ヵ月以上
倒産倍率 1.00倍 1.36倍 0.93倍 0.72倍 0.89倍

4.総評

・本件は、景気悪化に伴い販売が低迷するなか、資材価格の高騰によって収益構造が悪化し、資金調達が困難となって資金繰り破綻に至ったケースである。
・当社は元々、支払サイトよりも回収サイトが先行していたことから、資金需要の低い経営体質であったことが想像されるが、上記のように減収が続く環境にあっては、支払い負担が大きくなり運転資金需要が発生していたものと考えられる。かかる中で、金融機関から資金調達を図ろうとするも、大幅赤字によって自己資本が毀損し、十分な与信が得られずに資金繰りは困窮状態に陥り、倒産に至ったケースと考えられる。
なお、本件においては、倒産直前に受取手形を得て、割り引いていた。一部の取引先における手形関連の不安情報を考慮すると、当該手形は融通手形であったことも考えられることから、本件のように、「大幅減収」、「運転資金需要の発生」、「脆弱な資金繰り」、「突発的な手形割引」などの要素を併せ持つ場合には、特に注意を要する状態であるといえよう。

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