月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)サニーコーポレーション

2013年7月25日更新

1.会社概要、倒産経緯

・婦人用靴、サンダル等の製造販売業者。取扱品の全てを海外提携工場で製造する体制を確立し、靴問屋や専門店、量販店などに販路を形成。
・近年の靴製造業は、アジア諸国で生産された安価な製品の増加や、消費者の低価格志向などにより、国内の生産量減少が続いている。
・業界の動向に伴い、売上は伸び悩み、さらに他社との競争の激化や、円高に伴うデリバティブ損失計上などにより、財務内容は悪化していた模様。人員削減等のコスト軽減対策を講じるも、事業収益の見通しも立たなくなり、今回の措置となった。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
営業利益率(%)増減収率
(%)
2012/12 1,408.7 - - - - - - - ▲6.0
2011/12 1,498.5 - - - - - - - ▲14.5
2010/12 1,752.8 - - - - - - - ▲13.8
2009/12 2,034.2 1.4 ▲28.6 ▲29.3 37.2 6.8 1,933.6 0.1 ▲5.9
2008/12 2,161.1 30.3 29.6 22.5 44.5 4.8 1,688.5 1.4 ▲18.9
2007/12 2,664.3 159.1 170.2 97.5 39.3 4.6 1,862.7 6.0 11.2
2006/12 2,396.1 101.9 113.7 78.1 37.6 4.5 1,692.2 4.3 27.2
2005/12 1,884.2 95.5 88.1 59.9 30.7 7.5 1,822.6 5.1 ▲0.5
2004/12 1,893.3 228.2 220.3 125.3 38.5 4.2 1,341.8 12.1 43.8
2003/12 1,316.9 112.4 99.0 50.2 39.6 4.5 986.9 8.5 -

コメント

ピーク時(2007/12期)は26億円の売上を計上するも、その後の業績は下降し、2012/12期ではピーク時と比較して半減した。また、利益に関しても、高い水準を維持していたが、2008/12期以降は急落し、2009/12期は赤字に転落、その後情報は非開示となり、収益力の更なる悪化が懸念されていた。

3.データの分析

・本ケースの特徴として「情報開示姿勢」、「増減収率」に注目した。
・2012/2~2013/1の期間内における調査実施と情報開示の相関関係について、分析を行った。
・分析の結果、調査が実施されているにもかかわらず、情報を開示しない企業が最も倒産倍率が高く、積極的に情報を開示している企業の方が倒産確率が低いという結果が得られた。
・また、連続した5期分の売上高平均と直近期売上高より増減収率を算出し、増減収率と倒産確率の相関関係について、分析を行った。
・減収率が20%を超えてくると、倒産確率も急激に高まるという結果となった。
・下表は、調査実施と情報開示有無の倒産倍率、および、5期平均比増減収率の倒産倍率を集計したもの。

 

○調査有無と利益開示(集計期間:2012/2~2013/1)
調査有無と利益開示全体調査が実施されていないが、
利益が開示されている。
調査が実施され、
利益が開示されている。
調査が実施されているが、
利益が開示されていない。
倒産倍率 1.00倍 0.69倍 1.67倍 3.37倍
○増減収率(集計期間:2012/4~2013/3):売上高5期平均に対する直近売上高の推移・・・▲20.5%
増減収率全体50%以上増収50%~10%増収10%増収~5%減収5%~20%減収20%~50%減収50%以上減収
倒産倍率 1.00倍 0.47倍 0.36倍 0.55倍 1.02倍 1.96倍 3.99倍

4.総評

・直近3期分の財務情報は非開示となっているため、内容の把握はできない。しかし、2009/12期までの財務状況では、自己資本比率も高い水準であり、また、手元資金も毎期月商の3ヵ月程度を維持するなど、資金余力もうかがえることから、倒産の予見は難しいといえる。
・しかし、2010/12期以降は、数度にわたる調査会社の調査によっても情報非開示が続いていたことから、「経営状態が悪化しているため、情報を開示したくない」という後ろ向きの心理が伺える。
・例年の原価率(平均80%)や販管費水準を考慮して、財務情報が非開示となった2010/12期以降の推定利益を算出すると、営業利益段階で億単位の赤字を計上している状態が継続しており、その影響で自己資本が毀損していたことが推測できる。これにより上記の心理要因は一層現実性を増すものとなり得よう。
・本件は、特段の不安情報を入手していなかったものの、上記データ分析結果や利益予測の結果から、厳しい評価をすべきとの判断は可能であったといえる。

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