月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)ZKR

2013年9月27日更新

1.会社概要、倒産経緯

2001/9月に設立された不動産管理会社。休眠していた分譲地を再生し、シニア層が快適な田舎暮らしができる街づくりを目的として事業を行っていた。その再開発費や状態維持費は土地所有者らが共有で負担しており、また、当事業によって得られるキャッシュフローを裏付けとした高金利の債券を販売し、預託金を集めていた。かかる中、土地購入者との間でトラブルが発生、多くの訴訟を抱え、対外信用力は低下していた。更に近年は、震災の影響などから、需要が大きく後退し、業績面が悪化、資金繰りが逼迫したことから、今回の措置へ至ったもの。グループ会社3社においても同様に民事再生の申立を行っている。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
棚卸資産
回転期間
(ヵ月)
2012/8 5,320.4 ▲293.0 ▲36.0 ▲20.4 ▲1.9 0.9 13,395.0 14.0
2011/8 6,513.1 236.3 397.7 395.8 ▲2.0 0.8 11,879.2 11.3
2010/8 7,297.7 1,406.5 1,672.1 1,665.3 ▲6.6 0.8 9,618.9 9.5
2009/8 4,239.3 ▲99.4 130.4 ▲2,494.1 ▲35.4 1.2 6,500.4 6.0
2008/8 2,334.4 0.8 21.3 6.3 3.2 2.7 6,003.6 3.2
2007/8 2,244.4 117.7 128.6 89.7 5.9 3.8 3,183.2 0.1
2006/8 1,789.5 43.1 37.7 16.4 3.9 2.7 1,208.5
2005/8 991.2 12.4 32.9 29.5 4.1 0.8 745.3
2004/8 468.8 ▲60.4 ▲40.2 ▲40.2 0.2 2.4 721.9
2003/8 - - - - -

コメント

震災発生後の2011/8期に続き、2012/8期も減収となった中、費用の圧縮が追いつかず、大幅な営業赤字を余儀なくされた。財政面では、総資産が毎期大幅に増加しているが、その大部分は預託金である。業績が悪化し、債務超過状態である中でも、預託金を集め続けていた。

3.データの分析

  • 本ケースの特徴として「棚卸資産回転期間」に注目した。
  • 棚卸資産回転期間は年商を超えており、毎期大幅に長期化していることから、商品物件の売れ残りや、資金不足による開発未着手物件が多数含まれているものと推測される。
  • また他社が工事を休止した土地を再利用していたため、極端に資産価値の乏しい物件も少なくなかったと考えられ、物件の売却は困難であったとも考えられる。
  • 下表は、棚卸資産回転期間の倒産確率を集計したものである。この結果からも当指標が倒産分析に有効であるといえよう。
○棚卸資産回転期間(集計期間:2012/4~2013/3) 2012/8期 14.0ヵ月
棚卸資産回転期間全体2ヵ月未満2~4ヵ月4~6ヵ月6~10ヵ月10ヵ月以上
倒産倍率 1.00倍 0.90倍 1.73倍 2.13倍 3.47倍 2.42倍

4.総評

  • 本件は、債務超過状態であり、業績面・財政面共に悪化していたため、倒産の予測は容易であったといえる。
  • この街づくり事業では、家の建設、周辺インフラの整備によって魅力ある集合分譲地とすることで、街全体の資産価値を向上させることを前提としていた。しかし、不動産需要の後退などから、街全体の資産価値は伸び悩み、相次ぐ契約トラブルによる信用力の低下なども相俟って、売上の減少を余儀なくされていたものと思われる。
  • 不動産管理業の借入依存度は、業界平均値で40%を超えているが、当社は10%未満で推移していた。莫大な先行投資が必要な事業である上、リーマンショックの影響により資産価値に懸念があると判断され、金融機関が当社事業に対する貸出姿勢を硬化していたことが推測される。そのため、高金利での預託金を資金調達の源泉としたものの、販売不振などから売上は後退し、収益力が低下、取引先への支払いや預託金の返済が困難な状態となり、今回の措置へ至ったものと考えられる。

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