月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】インフォレスト(株)

2014年4月25日更新

1.会社概要、倒産経緯

2002年設立の雑誌等の企画・出版業者。人気ファッション雑誌「小悪魔ageha」のほか、パズルやコンピュータ、カメラなどの専門誌も扱っていた。雑誌売上が好調に伸びるなか、2009年には雑誌掲載商品の通信販売を開始したことが寄与し、売上はピークを迎えた。しかしその後は、類似商品の台頭や流行の変化などの影響から、売上高が下降基調になるとともに、周囲から先行きを懸念視される不安情報が発生していた。かかる中、業績悪化により、資金繰りが限界を迎え、一部雑誌部門を事業譲渡した上で事業停止に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
現預金
回転期間
(ヵ月)
その他
一般管理費
(百万円)
2013/3 4,943.9 203.3 165.7 87.3 38.0

2.8

4,567.7 0.1 ▲375.5
2012/3 4,379.7 84.1 101.6 176.8 34.9 3.4 4,326.9 0.4 ▲190.3
2011/3 5,259.6 - - 13.197

-

- - - -
2010/3 6,803.0 - - 20.000 - - - - -
2009/3 7,496.1 - - 425.945 - - - - -
2008/3 5,945.6 - - 417.435 - - - - -
2007/3 5,132.5 - - 92.497 - - - - -
2006/3 4,600.0 - - ▲58.9 - - - - -
2005/3 4,347.1 - - ▲291.5 - - - - -
2004/3 2,743.4 - - 151.4 - - - - -

コメント

・売上高は、2009/3期まで増収基調で推移していたが、2009/3期を境に減収に転じ、以後低迷を余儀なくれていた。
・売上高が不安定な推移を続ける中、2007/3期以降は黒字を維持しており、相応の自己資本の蓄積が窺える。
・2012/3期および2013/3期においては、その他一般管理費のマイナス勘定が発生しており、利益捻出の要因であったと考えられる。

3.データの分析

・本ケースの特徴として「現預金回転期間」に注目した。
・上記のとおり、売上高が不安定な推移を続ける中で、毎期相応の利益計上している反面、資金流出が大きく、現預金の水準は、月商に対して、0.4ヵ月(2012/3期)→0.1ヵ月(2013/3期)ときわめて乏しい水準で推移していた。
・その背景として、その他一般管理費がマイナス計上されている点を考慮すると、収支実態は億単位の赤字であり、赤字による資金流出発生していたものと考えられる。
・さらに、未収金の大幅な増加に加え、投資資産勘定に自己資本を超過する18億円が計上されており、当該勘定が関連会社に対する不良債権であるとの情報も存在していることを考慮すれば、資金繰りを圧迫した主因と考えることができよう。
・下表は、現預金回転期間の倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○現預金回転期間(集計期間:2012/10~2013/09)
現預金回転期間全体0.4ヵ月未満0.4ヵ月~0.8ヵ月0.8ヵ月~1.5ヵ月1.5ヵ月以上
倒産倍率 1.00倍 1.42倍 1.14倍 0.92倍 0.79倍

4.総評

・本件は、収支実態が悪化する中で、経理処理によって見せかけの黒字を計上しつつ、資金繰りが逼迫し破綻したケースである。
・4.データの分析に記載のとおり、その他一般管理費のマイナス計上や過大な投資資産など、財務詳細情報を確認すれば、収支の異常に気付くことができるが、売上高と利益の推移だけでは、実態推移に気付くことは困難であったといえる。
・かかる中、本件においては、主力雑誌の販売低迷のほか、融通手形の情報を入手するなど、不安情報から収支状況の不安視が可能となった。
・簡易な業績数値のみで開示されている際には、財務詳細情報の入手に努めるのはもちろんのこと、情報入手のアンテナを広げ、定性情報と合わせて評価することが、業績推移の異常性を察知する上で、重要であることを示すケースであるといえよう。

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