月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】舞鶴合同青果(株)

2016年4月29日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1979年設立の青果等卸売業者。舞鶴市を中心に商圏を形成し、食品販売業者や飲食店などを対象として青果や花卉を取り扱う、京都府北部地方卸売市場を運営していた。

・大手スーパーとの価格競争の激化に加え、生産者の高齢化や京都・大阪・神戸への交通網整備で取引が減少するなど、厳しい経営環境にあった。周辺環境の悪化を受け、売上高はピーク時の5分の1程度の840百万円にまで落ち込んでいた。

・上記の要因に伴う業績悪化によって支払遅延が発生するなど、事業継続が困難となり、子会社のマイカン産業(株)と共に今回の措置となった。今後は、同社と共通の顧客を有する志摩機械(株)の支援を受け事業を継続しながら経営再生を図る。

2.決算データ

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決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
売上
実数開示
増減率
(%)
2015/8 840.0 - - - - - - - 上2桁 ▲11.6
2014/8 950.0 - - - - - - - 上2桁 ▲16.1
2013/8 1,132.0 - - - - - - - 上4桁 ▲33.4
2012/8 1,700.0 - - - - - - - 上2桁 ▲10.5
2011/8 1,900.0 - - - - - - - 上2桁 ▲2.6
2010/8 1,950.0 - - - - - - - 上3桁 ▲2.5
2009/8 2,000.0 - - - - - - - 上1桁 0.0
2008/8 2,000.0 - - - - - - - 上1桁 ▲9.1
2007/8 2,200.0 - - - - - - - 上2桁 ▲8.3
2006/8 2,400.0 - - - - - - - 上2桁 ▲2.0

コメント

・開示姿勢が消極的なため、利益水準及び財務実態は不明であった。

・売上高は概数ながら開示され、減収基調で推移していたことから、業績の悪化が窺える。

・直近期においては赤字が続いていたとの情報もある。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として、「売上高実数開示」および「増減収率」に注目した。

・当社の売上高は概数での開示が続いていた。決算が良好な企業においては、数値の開示に抵抗が少ないと考えられるため、当社においては、業績が不芳であった可能性が高い。

・直近10年間において、減収基調で推移しており、近年は2桁以上の減収率で推移していた。売上高が維持できず、利益の確保もままならない状態であったと推測される。

・下表は、各データの倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○売上1億円超企業における売上高実数開示(集計期間:2014/4~2015/3)...2015/8期 上2桁
売上高実数開示全て実数上1桁上2桁上3桁上4桁上5桁
倒産倍率    1.00倍 2.14倍 2.09倍 1.82倍 1.19倍 1.11倍
○卸売業における増減収率(集計期間:2014/4~2015/3)...2015/8期 ▲11.6%
増減収率全体20%以上減収10~20%減収5~10%減収5%減収~5%増収5%以上増収
倒産倍率 1.00倍 2.89倍 1.59倍 1.36倍 0.84倍 0.46倍

4.総評

・周辺環境の悪化から売上高の維持が困難となったことに伴い、倒産に至ったケースである。

・青果物卸売業界は、卸売市場数及び卸売業者が減少傾向で推移している。市場が縮小傾向で推移する中、量販店との競争激化や、少子高齢化による顧客及び生産者の減少など、当社を取り巻く環境は厳しさを増していた。

・本ケースでは、情報の開示姿勢が消極的であるため、売上情報のみにより、分析を行わざるを得ないが、その中でも危険な兆候を読み取ることはできる。減収基調での推移から、業績が悪化している様子が窺えるだけでなく、売上数値が概数で開示されていることから、積極的に詳細数値を開示できない決算内容であったことも推測される。当社のように開示情報の乏しい先においては、情報がどの程度開示されているかに着目することで、倒産の危険性を読み取れることができるといえよう。

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