月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)ファーム

2016年7月29日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1967/7設立。全国の地方自治体と共同で「とうほくニュージーランド村」など、農村型テーマパークを運営。
・2002/4期には、ピークとなる売上高92億円を計上するも、徐々に集客力が低下し、施設建設による負債が収益を圧迫していたため、2013/4期、整理回収機構(RCC)による企業再生スキーム適用となり、経営再建が進められていた。しかし、集客増加の見通しが立たず、直近の収益が計画を下回ったことを受けて、自主再建を断念し、今回の措置となった。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
借入
返済年数
(年)
営業
利益率
(%)
2015/4 3,145.4 45.9 26.4 ▲164.6 58.0 13.8 9,401.1 31.8 1.5
2014/4 3,163.2 42.0 51.0 ▲1,223.5 58.0 14.2 9,681.2 26.6 1.3
2013/4 3,211.4 160.5 3.9 3,877.0 60.7 14.8 11,262.0 16.0 5.0
2012/4 3,439.3 245.2 128.8 ▲126.0 24.2 30.9 12,222.9 21.3 7.1
2011/4 4,173.1 403.9 239.7 23.0 23.6 27.2 13,072.1 14.1 9.7
2010/4 4,951.6 602.9 400.2 212.4 23.5 22.4 13,003.8 12.6 12.2
2009/4 5,358.1 915.8 696.9 12.1 21.5 21.5 13,230.7 12.2 17.1
2008/4 5,010.9 603.5 363.5 22.6 18.9 26.7 14,987.8 12.7 12.0
2007/4 5,900.3 708.3 456.8 15.0 18.3 24.2 15,363.4 13.0 12.0
2006/4 7,484.3 941.7 827.0 73.6 17.0 20.8 16,577.0 12.4 12.6

コメント

・直近10年は、減収基調で推移していた。営業利益も減少傾向が続き、直近2期は連続して最終赤字となっている。
・2013/4期に企業再生スキームに基づく、債務免除適用により、自己資本比率が24.2%から60.7%に上昇するなど、表面上の財政状態は改善されたが、業績面は再建計画通りに進んでいたとは考え難い。

3.データの分析

・本ケースを分析する手法として、「借入返済年数」および「営業利益率」に着目した。
・2009/4期以降、借入返済年数は経常利益の減少に伴い徐々に長期化していった。2013/4期には、債務免除によって一時的に短縮化したものの、その後は十分な利益を生み出すことができず、直近では31.8年まで長期化していた。
・営業利益率は、再生支援の直前5年平均は10%を超えていたが、以降は急激に低下していた。これは、当社の業種特性上、一定の集客を確保するためには、サービス水準の維持が必要であり、サービス水準の維持には人手が必要であることから、人件費を中心に販売管理費が高止まりしていたことによるものである。
 下表は、各データの倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○借入返済年数別倒産確率(集計期間:2015/04~2016/03)・・・2015/04期 31.8年
借入返済年数(年)全体0~15年未満15~30年未満30年以上赤字
倒産倍率(倍) 1.00倍 0.58倍 0.75倍 1.53倍 2.69倍
○売上高営業利益別倒産確率(集計期間:2015/4~2016/3) ・・・ 2015/04期 1.46%
営業利益率(%)黒字企業全体0%未満0~1.5%1.5~3%3%以上
倒産倍率(倍) 1.00倍 2.14倍 1.26倍 1.07倍 0.86倍

4.総評

・本ケースは、企業再生支援が実施され、一時的に財政状態が改善したものの、以降の収益が再生計画を大きく下回ったことで再建の見通しが立たず、自主再建を断念し、民事再生に至ったケースである。
・当社事業は、農村型テーマパークを通じて、地方における新たな雇用の創出と周辺経済への波及効果が期待できる魅力的な事業として、期待されていた。しかし、企業再生スキームが適用された時点で、一度は事業モデルとして破綻した、リスクの高いケースであるとの認識を持つべきであったといえる。
・見かけ上は、財政面の改善がみられたとしても、再建のためには収益を継続的に生み出せる体質に変化している必要があり、その点で直近の利益推移には十分な注意をしなければならなかったケースであるといえよう。

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