月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】REVSONIC(株)

2016年12月30日更新

1.会社概要、倒産経緯

・2005年設立。ワイヤレス機器、ネットワーク機器、自動化システムや産業機械、社会インフラなど幅広い分野に適合した半導体の設計・開発・製作を主力に事業を展開。大手半導体メーカーを主力販売先とし、福岡・長崎・大阪・名古屋・香港にそれぞれ拠点を開設し、事業を拡大していた。
・2016/6期の売上高は過去最高の23億円を計上するも、営業赤字に転落し、債務超過に陥った。かかる中、架空取引事件への関与の疑いで主要取引先から取引停止を通告され、事業継続が困難になったことで、今回の措置に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
借入
依存度
(%)
現預金
回転期間
(ヵ月)
2016/6 2,329.8 ▲199.6 ▲213.6 ▲214.1 ▲6.2 5.2 1,293.1 78.2 0.2
2015/6 2,012.1 32.7 36.3 13.2 13.7 3.3 979.1 55.8 1.9
2014/6 1,369.2 65.9 57.9 2.3 15.4 2.5 494.3 56.8 1.3
2013/6 1,005.3 20.2 15.9 11.4 16.4 3.0 460.7 54.0 0.7
2012/6 650.5 6.8 9.9 8.9 12.9 3.6 304.0 64.0 1.0
2011/6 558.2 - - 11.9 - - - - -
2010/6 478.9 - - ▲24.2 - - - - -
2009/6 640.0 - - 3.0 - - - - - -
2008/6 640.0 - - - - - - - - -
2007/6 240.0 - - - - - - - - -

コメント

・2011/6期以降、大幅な増収推移が続いていたが、一方で、売上の伸長に利益の伸長が伴っておらず、低調な利益推移が続いていた。
・利益蓄積が乏しいことから、純資産は薄弱な状態で推移しており、2016/6期の大幅赤字によって債務超過へ転落した。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として、「現預金回転期間」および「借入依存度」に着目した。
・2015/6期から2016/6期にかけて、棚卸資産、貸付金、有価証券などの資産勘定が大幅に増加したことで、多額の資金流出が発生し、現預金の減少、借入の大幅増加が生じている。
・借入金は、2014/6期から年々大幅な増加を続け、2016/6期における借入依存度は、78.2%と危険な水準に達していた。
・かかる中、好調な売上推移を継続するために営業強化を先行したことで、販売費及び一般管理費が増加し、利益率を圧迫した。結果として、2016/6期は大幅な赤字を計上し、更なる資金負担を生んだことで、資金繰りはひっ迫していた。
・下表は、各データの倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○現預金回転期間別倒産確率(集計期間:2015/10~2016/09)・・・2016/6期 0.2ヵ月
現預金
回転期間(ヵ月)
全体現預金マイナス0~0.8ヵ月0.8ヵ月~2ヵ月2ヵ月以上
倒産倍率 1.0倍 3.3倍 1.4倍 0.9倍 0.8倍
○借入依存度別倒産確率(集計期間:2015/10~2016/09)・・・2016/6期 78.2%
借入依存度(%)全体無借金0%~30%30%~70%70%以上
倒産倍率 1.0倍 0.8倍 0.5倍 0.7倍 2.1倍

4.総評

・本件は、本業の採算性が悪化する中、架空取引に関与した疑いが発覚したことから、対外信用力が低下し、主要取引先との取引が解消されたことで、業績および資金繰りの悪化を招き、倒産に至ったケースである。
・信用不安情報を入手していない状況では、2015/6期までの業績動向に着目した場合、大幅な増収推移、黒字を維持している状況を考慮すると、一見、倒産の予見は難しいと思料される。
・しかしながら、本業における営業先行投資や、現預金の推移、また、資産性や回収可能性が懸念される勘定を考慮した純資産の推移などを分析することによって、収益および、財政状態の実態を正しく読み取ることができれば、正しい判断が可能であったケースといえよう。

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