月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】ギフコ(株)

2017年1月27日更新

1.会社概要、倒産経緯

・2001年設立。カタログギフト事業からギフト受託事業(90%)とEC事業(10%)を展開し、受注基盤を拡大した。
・主力のベネッセコーポレーション向け育児関連ギフト受託事業の成長により、2012/1期には93億円の売上高を計上した。その後はインターネット通販や他社ECサイトとの競合激化により、カタログ返礼ギフト市場が縮小。事業環境が悪化する中、主力取引先からの受注減少等により、業績が急速に悪化し、2015/1期に赤字に転落すると、信用不安が広まった。
・新会社への事業譲渡による再建を目指したが、取引先や金融機関からの支援が十分に得られないことから、新会社の設立を断念。2016/1期に2期連続となる大幅赤字を計上したことによって、債務超過に陥り、事業継続が困難になり、今回の措置に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
増減収率
(%)
粗利益率
(%)
2016/1 3,629.2 ▲328.2 ▲341.5 ▲443.5 ▲35.8 2.7 1,167.5 ▲17.3 1.4
2015/1 4,387.0 ▲28.7 ▲31.1 ▲171.5 1.2 3.4 2,168.3 ▲37.8 10.4
2014/1 7,058.0 17.0 - - - ▲13.3 -
2013/1 8,137.0 40.0 - - - ▲12.9 -
2012/1 9,346.0 - - - 8.0 -
2011/1 8,650.8 64.9 71.6 22.1 17.6 1.8 4,167.3 113.8 12.2
2010/1 337.2 ▲107.9 ▲108.5 ▲108.6 0.4 - 2,397.8 ▲32.1 ▲13.2
2009/12 5,961.2 35.4 27.1 3.0 4.6 0.5 2,585.0 20.8 13.8
2008/12 4,936.5 66.7 125.7 4.2 6.6 0.5 1,750.7 20.6 18.2
2007/12 4,094.0 - - 8.8 - - - 119.2 -

コメント

・2012/1期以降、4期連続で10%以上の減収となり、直近5年間で61.2%の大幅減収を余儀なくされた。また、直近2期における売上の落ち込みに対し、コスト削減が追いつかず、赤字が拡大したことで、債務超過へ転落した。過去の黒字決算においても、低収益で推移し、自己資本の蓄積が不十分だったことがわかる。

3.データの分析

本ケースを分析する手法として、「10%以上減収した期間」および「粗利益率」に着目した。
・2012/1期以降、4期連続で10%以上の減収で推移しており、直近2年間で売上がほぼ半減(▲48.6%)している。
売上の減少に対し、直近2年間で従業員を大幅に削減(2014/6:59人⇒2016/6:15人)するなど、リストラを実施し、2016/1期には、販売費および一般管理費を前期比で22.0%削減していたが、減収率にコスト削減が追いつかず、粗利益率が大幅に低下(10.4%⇒1.4%)したことで、赤字が拡大していた。
下表は、各データの倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○卸売業における10%減収した期間(集計期間:2015/04~2016/03)・・・2016/1期 4期連続
10%以上減少した期間全体1期2期連続3期連続4期連続
倒産倍率 1.00倍 1.80倍 2.71倍 5.00倍 5.13倍
○卸売業における粗利益率(集計期間:2015/04~2016/03)・・・2016/1期 1.4%
粗利益率全体0%未満0%~5%5%~20%20%以上
倒産倍率 1.00倍 4.43倍 1.74倍 1.11倍 0.81倍

4.総評

・本件は、主力取引先1社への依存度が高かったために、主力取引先の業績の悪化が、自社の業績悪化に直結し、立て直す猶予もなく資金繰り破綻に至ったケースである。
・当初は、競合するインターネット通販に対抗するために、EC事業に参入するなどの対策を取ったが上手くいかず、ギフト受託事業の大幅な落ち込みをカバーするには至らなかった。かかる中、主力取引先における個人情報流出問題の発生により、受注が大幅に減少し、粗利益率が急速に低下したことで、業績悪化に拍車がかかった。
・販売先が優良企業とはいえ、1社への取引依存度や、1事業への事業依存度が高いことは、経営上の大きなリスクになることから、取引先や事業の集中を分散させるための取り組みが必要であったといえよう。
・本件のように、財務情報が十分にそろっていない場合においても、決算情報(売上・利益)の推移に加え、取引先の動向などに注意を払うことで、倒産の予見は可能といえよう。

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