月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)本陣

2017年3月31日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1972年設立。兵庫県を中心に弁当販売事業を展開。店舗数の増加や企業向け給食・仕出しなどへの事業拡大によって業績を伸ばし、ピーク時の1995/9期には売上高約59億円を計上していた。
・しかし、2000年代に入ってコンビニとの競争激化や消費者行動の変化により、徐々に業績が悪化。子会社の合併や不採算事業の撤退など収益改善策を実施したものの、業績回復には至らず、事業拡大のために行った借入金の返済に窮したことから、今回の措置となった。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
増減
収率
(%)
借入
返済年数
(年)
2016/9 1,156.0 - - ▲326.0 ▲51.9
2015/9 2,224.7 ▲79.9
▲64.2 ▲9.6 27.6 12.0 3,768.6 ▲11.9 999.9

2014/9

2,524.3 ▲41.9
▲30.9 ▲33.5 29.5 10.0 3,850.7 ▲19.0 427.4
2013/9 3,118.1 ▲74.1 ▲62.8 ▲105.1 29.9 8.6 3,900.0 ▲6.6 76.1
2012/9 3,338.4 ▲34.3 6.0 1.6 31.3 7.9 4,070.2 ▲3.8 32.7
2011/9 3,470.3 8.3 24.8 4.4 30.8 7.8 4,123.4 ▲6.5 30.2
2010/9 3,710.4 30.6 26.4 8.0 30.0 7.5 4,224.8 ▲7.8 31.3
2009/9 4,022.4 21.3 10.8 9.1 39.0 7.0 4,274.0 41.0 21.4
2008/9 2,853.8 73.3 16.0

6.3

4.9 6.7 2,745.3 ▲4.9 21.6
2007/9 2,999.4 82.3 44.4 44.6 4.6 6.3 2,754.9 ▲1.2 16.5

コメント

・2008年に子会社㈱たいこフーズを吸収合併したことで、2009/9期の売上高と純資産が増加。しかし、収益改善には繋がらず、減収基調が続いていた。
・2012/9期には営業赤字へ転落。その後も業績の悪化が止まらず、赤字が続いていた。また、長期貸付金やバブル期に取得したとみられる土地など、資産性の不透明な勘定が多く計上されており、実質的な自己資本は脆弱であった可能性が高い。
・2015年に不採算事業から撤退したことで、2016/9期の売上高は半減した。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として、「連続して10%以上減収した決算期数」および「借入返済年数」に着目した。
・弁当販売業は、現金取引が基本であるため、売上の増減が現金収入に直結するが、近年の減収推移によって、現金収入が減少し、資金繰りが逼迫していたと推察される。
・2010/9期時点で借入返済年数が31.3年と警戒水準に達し、その後も長期化の一途にあるが、これは経営悪化によって収益が低下し、過去の設備投資負担が重くなっていったことを示している。
・下表は、各データの倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○製造業における連続して10%以上減収した決算期数別倒産確率(集計期間:2015/4~2016/3)...2016/9期 3期連続
10%以上減収
(決算期)
全体1期2期連続3期連続4期連続
倒産倍率 1.00倍 1.95倍 3.04倍 4.02倍 2.38倍
○製造業における借入返済年数別倒産確率(集計期間:2015/4~2016/3)...2015/9期 999.9年
借入返済年数
(年)
全体0~5年
未満
5~15年
未満
15~30年
未満
30年以上
倒産倍率 1.00倍 0.34倍 0.27倍 0.52倍 1.70倍

4.総評

・本ケースは、過去の事業拡大のために行った設備投資負担が大きく、資金繰りが逼迫する中、事業再編によって収益回復を試みるも奏功せず、多額の赤字を計上したことで債務超過に陥り、資金繰りが限界に達したものである。
・弁当販売事業は現金商売であり、他業種に比べ売上高の減少が現金収入の減少に直結する。掲社においては、2000年代に入って減収が続いていたことから、事業運転資金が十分に確保できていなかったと推察される。
・本ケースでは、業績の変動からも倒産の予測は容易であったが、上記のように事業特性から収益構造を把握し、データ分析を行うことで、倒産の危険性を読み取れることができたといえよう。

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