月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】㈱ウイズプリンティング

2018年9月28日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1964年設立の各種印刷並びに紙加工品の製造・販売業者。カタログ・ポスターなどの商業印刷を得意とし、近年は、各種
印刷物制作、及びそれに伴う製本加工業を主力に展開していた。
・ピークとなる1997/7期には約35億円の売上高を計上していたが、紙媒体の需要減少や商業印刷の需要低下、他社との競
争激化も相俟って、減収基調で推移していた。主力取引先数社との取引終了により、売上が急減し、採算性が悪化。過去の
設備投資による借入負担が重く、経営不振に陥り、今回の措置に至っている。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
減収率
(%)
借入
返済年数
(年)
2017/7 1,559.7 ▲ 42.6  ▲ 63.8 ▲ 63.2 4.2 11.1 2,464.4 ▲ 17.9 999.9
2016/7 1,898.9 33.7 2.9 3.4 5.9 9.8 2,786.2 ▲ 9.6 42.3
2015/7 2,101.0 34.2 14.7 6.7 5.7 8.5 2,835.9 ▲ 9.1 25.1
2014/7 2,312.3 44.2 13.1 8.2 5.3 8.1 2,942.4 ▲ 3.5 25.8
2013/7 2,396.9 71.2 40.3 20.8 4.8 7.9 3,093.1 ▲ 2.3 18.5
2012/7 2,452.6 73.0 35.7 15.0 4.1 7.9 3,096.9 11.8 18.5
2011/7 2,193.8 40.4 16.8 8.7 3.5 9.7 3,203.1 3.2 27.0
2010/7 2,125.1 28.1 14.3 7.6 3.1 10.3 3,275.6 ▲ 5.2 29.0
2009/7 2,240.6 4.4 10.7 6.2 3.0 9.9 3,214.4 ▲ 16.7 29.8
2008/7  2,689.9 11.2 12.1 5.3 2.7 8.0 3,338.5 ▲ 2.8 26.6

コメント

・2013/7期以降、印刷物の受注の不振が続き、売上高は5期連続で減少している。2017/7期においては、売
上高が急減する中、販売管理費の削減に至らず、営業赤字に転落している。

・自己資本が薄弱であり、借入月商比は高い水準で推移している。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として「連続減収期間」と「借入返済年数」に着目した。

・2013/7期から続く減収推移に対して、コスト削減によって黒字を捻出してきたものの、5期連続となる2017/7期において20%近
い大幅減収となったことで、コスト削減が限界を迎え、赤字転落を余儀なくされた。

・2015/7期以降、借入返済年数は大幅に長期化しており、2017/7期の赤字転落によって、収益償還が困難な状態となっていた
ことが読み取れる。

・下表は、各データの倒産倍率を示したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であると言えよう。

○連続減収期間(集計期間:2017/4~2018/3)...直近5期連続減収
連続減収期間全体1期減収2期減収3期減収4期減収以上
倒産倍率 1倍 1.27倍 1.53倍 1.71倍 2.05倍
○借入返済年数(集計期間:2017/4~2018/3)・・・2017/7期 999.9年
借入返済年数全体0~10年未満10~20年未満20~40年未満40年以上
倒産倍率 1倍 0.65倍 0.71倍 1.00倍 1.43倍

4.総評

・印刷業界の厳しい事業環境が続く中、受注拡大を図るべく、CTP(Computer to Plate:直接製版記録装置)と呼ばれる最
新システムを導入し、スピード化・高精度化を推進したが、多額の設備投資に見合う売上高を確保できず、借入返済が困難
となり、事業継続を断念したケースである。

・売上高の急減に対して、販管費などのコスト削減が進まず、赤字に転落したことで、資金繰りが悪化したことが窺える。

・本ケースは、自己資本が乏しく、借入過大な状態であるなど脆弱な財務内容に加え、業績が下降傾向にある中、本業が行き
詰まり赤字に転落していたことから、倒産の兆候を把握することが可能であったと言えよう。

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