月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】㈱AKIRA

2018年12月28日更新

1.会社概要、倒産経緯

・2005年設立の子供服リサイクルショップを経営していた企業。全国のスーパーやショッピングモールなどに、直営店のほかフランチャイズ店(FC)を積極的に展開(合計70数店舗)し、売上は拡大していた。

・2015年には、事業拡大のために民事再生会社(ブランド子供服小売)を買収したが、本業は、メルカリやZOZOTOWNなどのECサイトとの競合激化による販売不振や、出店によるコスト増加等で2017/3期には赤字を計上していた。

・2018年に入り、一部のFCオーナーや取引先への支払いが滞り、資金繰りが限界に達したことから、事業を停止し、今回の措置となった。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
実質自己
資本額(千
円)
実質自己
資本比率
(%)
2018/3 565.0 - - ▲156,000 - - - - -
2017/3 937.3 - - ▲29,946 - - - - -
2016/3 909.8 - - 22.0 - - - - -
2015/3 637.1 - - 20.0 - - - - -
2014/3 415.1 18.2 19.2 10.8 11.9 - 411.2 ▲32,056 ▲9.7
2013/3 265.6 9.8 12.2 9.8 15.9 - 239.1 ▲7,931 ▲4.1
2012/3 180.8 15.2 16.0 15.8 29.1 - 97.1 11,958.0 14.8
2011/3 106.0 2.2 2.3 2.1 34.2 - 36.4 7,925.0 24.9
2010/9 61.3  ▲1,402 ▲1,169 ▲1,239 ▲117.0 - 22.8 ▲31,048 ▲168.1

コメント

・2017/3期には大幅赤字を計上し、破産後に判明した2018/3期では大幅減収、連続大幅赤字となっていた。

・2015/3期以降、開示姿勢が後退し、近年の財政実態は不透明であったが、不透明資産を考慮した実質自
己資本比率はマイナス状態が疑われていた。

 

3.データの分析

・本ケースにおける分析指標として、「財務情報が非開示となり、売上利益のみの開示となった場合」および「自己資本比率15%以下を最後に財務情報非開示となった場合」(2パターン)にかかる開示姿勢後退動向に着目した。

・2014/3期を最後に開示姿勢が後退し、近年の財政実態は不透明となっていた。

・下表は、「財務情報が非開示となった場合」(2パターン)の倒産倍率を示したものである。3期以上連続で非開示となると、倒産倍率が非常に高くなっており、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○小売業における財務情報が非開示となり、売上利益のみの開示となった場合(集計期間:2017/10~2018/9)
全体1期非開示2期連続非開示3期以上連続非開示
倒産倍率 1.00倍 0.59倍 1.67倍 1.65倍
○小売業における自己資本比率15%以下を最後に財務情報非開示となった場合(集計期間:2017/10~2018/9)
全体1期非開示2期連続非開示3期以上連続非開示
倒産倍率 1.00倍 0.66倍 1.26倍 1.47倍

4.総評

・本件は、ECサイトとの競合激化による販売不振や出店コスト増加、事業拡大のため行った民事再生会社の買収によって資金繰りが悪化し、破産に至ったケースである。

・子供服リサイクルビジネスに乗り出した当初は競合先も少なかったが、FC展開にて業容を拡大していく中で、ECサイトの台頭により競合が激化し、業績の悪化を余儀なくされた。

・業界内における新たなビジネスモデルの発生は既存業者にとって大きな脅威となり得る。業界環境の変化に常に注意することが重要といえる事例である。

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