月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】【倒産分析レポート】栃木電子工業㈱

2019年3月29日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1972年設立のプリント配線基板製造業者。ピークとなる1991/4期には42億円超の売上高を計上していたが、主力のシャープ向けテレビ事業縮小に伴い業績が悪化。1999年頃から主力事業を遊技機関連向けにシフトし、利益を確保してきた。

・しかし、2000年代半ばから実施された遊技機業界の規制強化によって受注が減少し、売上高が低迷。近年は遊技機業界の規制が一段と強化され、受注の回復が見込めない中、2018/4期に大幅な赤字を計上すると、自力での経営再建を断念し今回の措置に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
減収率
(%)
当座比率
(%)
 2018/4 1,049.5 - - ▲ 133.5 - - - ▲30.3 -
2017/4 1,505.2 7.9

7.2

4.5 19.5 59.9 1,466.8  ▲4.7 60.9
2016/4 1,578.7 15.7 14.2 5.0 17.1 57.9 1,648.5 ▲29.8 62.7
2015/4 2,247.3 16.1 32.1 25.5 14.0 52.2 1,971.6 ▲10.0 79.4
2014/4  2,496.5 27.8 42.2 19.7 11.7 43.7 2,136.9 4.2 73.8
2013/4  2,395.6 14.8 14.9 3.7 11.7 56.9 1,973.9 ▲14.4 73.9
2012/4 2,797.8 65.0 54.3 19.4 10.0 46.6 2,268.2 ▲6.4 64.5
2011/4  2,987.8 115.4 104.1 41.5 10.7 48.8 1,951.0 14.0 66.3
2010/4 2,620.3 71.4 45.2 9.8 7.1 59.6 2,343.2 7.2  68.6
2009/4  2,445.0 120.0 64.0 26.3 7.4 65.3 2,118.9 ▲23.7 62.4

コメント

・遊技機業界からの受注が減少したことにより、2015/4期から4期連続減収で推移している。

・従来より、借入金の返済負担が重く、近年は短期的な資金繰りの悪化も窺える。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として「連続減収期間」と「当座比率」に着目した。

・2015/4期から4期連続減収と厳しい経営環境が続く中、2018/4期には前期比30%超の大幅な減収で推移し、赤字に転落した。当社の事業であるプリント配線基板製造は装置産業であり、多額の固定費を要するため、売上高の増減に対する利益変動が大きくなりやすい。2018/4期の減収によって、損益分岐点売上高を割み、赤字に転落したと推察される。

・当座比率は従来より低水準で推移しており、特に減収基調が強まった2016/7期からは70%を下回る水準で推移している。支払能力が低い状態にある中で、業績の悪化によって事業継続が困難な状態になったと思料される。

・下表は、各データの倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であると言えよう。よう。

○製造業における連続減収期間(集計期間:2017/4~2018/3)...直近4期連続減収
連続減収期間全体1期減収2期減収3期減収4期減収以上
倒産倍率 1.00倍 1.33倍 1.58倍 1.75倍 1.90倍
○製造業における当座比率(集計期間:2017/4~2018/3)...2017/4期 60.9%
当座比率全体70%未満70%~90%90%~100%100%以上
倒産倍率 1.00倍 2.22倍 0.94倍 0.81倍 0.64倍

4.総評

・本件は、遊技機業界への取引依存度が高かったために、業界全体の落ち込みに対応できず、資金繰りが限界に達したケースである。

・主力である遊技機業界からの受注回復が見込めない中で、売上高の減少が赤字拡大に繋がりやすい業態であることから、急激に資金繰りが悪化し、自力での経営再建を断念するに至ったと思料される。

・特定の業界に対する取引依存度が高いことは、経営上の大きなリスクとなることから、取引先業界の動向を踏まえた信用力の分析が重要であると言えよう。

∇PDFダウンロード

※PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader(無償)が必要です。Adobe Readerのダウンロードページよりダウンロードが可能です。

≪前のページへ戻る

情報発信

与信管理お役立ち

最新情報はこちら

リスク管理情報研究所
Risk Management Information Research Institute 〒141-0031 東京都品川区西五反田7-24-5
TEL:03-3231-0272

表示:スマートフォン | パソコン