月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】㈱サンライズロジコム

2019年4月26日更新

1.会社概要、倒産経緯

・2000年設立の一般貨物自動車運送会社。主に自動車部品の配送により事業を拡大し、2018/3期まで増収基調で推移していた。
・車両維持コストや金融機関向け支払利息が負担となり、直近3期は赤字を計上。2017/3期には債務超過に転落していた。
・かかる中、代表者による横領事件などの不祥事から、取引先に信用不安が広がったことが事業継続の支障となり、今回の措置に至っている。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
長期
貸付金
(千円)
借入
金利率
(%)

2018/3

877.1 6.1 ▲42.5 ▲42.0 ▲9.3 79.4 778.8 577,274.0 8.9
2017/3 843.1 29.5 ▲74.0 ▲67.6 ▲3.8 67.8 794.2 551,405.0 2.7
2016/3 850.6 ▲173.9 ▲176.9 ▲44.5 3.9 45.8 949.2 535,997.0 1.9
2015/3 815.7 25.7 23.0 16.7 11.5 48.3 734.9 176,486.0 1.9
2014/3 712.8 7.0 3.8 ▲7.4 10.5 44.6 645.2 133,853.0 2.2
2013/3 643.4 33.2

31.1

19.1 13.8 49.3 542.9 86,853.0 2.2
2012/3 543.5 22.7 20.0 10.4 12.8 55.8 435.7 26,750.0 3.0
2011/3 530.1 35.3 35.0 30.9 12.3 50.9 369.1 20,150.0 3.7
2010/3 482.8 35.8 32.8 19.7 1.3 51.1 341.0 20,600.0 4.9
2009/3 592.7 ▲59.9 ▲63.3 ▲40.7

▲2.0

48.0 265.0 0.0.0 4.0

コメント

・直近3期は赤字で推移し、借入金の返済負担が増加。資金繰りが逼迫している様子がうかがえる。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として「長期貸付金」と「借入金利率」に着目した。
・2010/3期頃から多額の長期貸付金が計上されており、2018/3期においては総資産の70%超まで増加していた。当該長期貸付金は回収可能性に懸念のある資産と考えられ、これらを控除した実質的な財政状態は脆弱であったと思料される。
・総借入に対する支払利息額の割合を表す「借入金利率」は増加傾向で推移している。不透明な財政内容や信用不安情報を背景に、金融機関の支援姿勢が硬化し、高利での資金調達を余儀なくされていたと推察される。直近の2018/3期の借入金利率は8.9%まで上昇し、収益性を圧迫していたことがうかがえる。
・下表は、借入金利率の倒産倍率を集計したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○借入金利率(集計期間:2017/4~2018/03)・・・2018/3期 8.9%
借入金利率全体2.0%未満2.0%~2.5%未満2.5%~3.0%3.0%以上
倒産倍率

1.00倍

0.79倍 1.31倍 1.49倍 1.76倍

4.総評

・本ケースは、多額の貸付金計上や信用不安情報を背景に、事業継続性への不透明感が拭えない中で、資金繰りが限界に達し、倒産に至ったものである。
・当社は、増収基調で推移していたものの、事業維持に要する資金調達コストが嵩み、十分な利益を確保することが難しい状態であった。さらに、貸付金という形で、資金の多くが外部に流出しており、赤字による資金流出も相俟って、資金繰りが厳しい状態であったと推測される。
・本件は、連続赤字の計上や債務超過への転落のみならず、資金の流出状況等の実質的な財政状態を見極めることで、いち早く倒産の兆候を把握することが可能であったケースといえよう。

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