月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)GIA JAPAN

2019年11月29日更新

1.会社概要、倒産経緯

・2010年設立の衣料品卸売業者。「Blauer.」などの高級ブランド品や雑貨・衣料品の輸入卸を手掛け、通販サイトやディスカ
ウントショップを中心に営業基盤を形成していた。
・近年は、大手ディスカウントショップとの取引開始に伴って業績を拡大し、2018/1期にはピークとなる約17億円の売上高を計
上していたが、2020/1期に入り、当該大手ディスカウントショップとの取引停止により資金繰りが悪化。
・かかる中、商品在庫の安値販売等によりキャッシュ捻出を図ったものの、資金繰りは改善せず、今回の措置に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
買掛債務
回転期間
(ヵ月)
CCC
(日)

2019/1

1,636.6 33.1 24.8 18.8 8.4 87.6 839.7 0.1 119.2
2018/1 1,700.0 - - - - - - - - -
2017/1 1,699.0 14.0 6.6 4.5 5.9 78.2 448.2 0.4 40.3
2016/1 934.5 12.1 7.5 6.3 6.6 82.6 330.3 0.3 73.1
2015/1 588.4 4.0 1.9 ▲ 19.6 5.9 85.5 260.3 0.1 113.5
2014/1 500.0 - - 18.0 - - - - - -
2013/1 362.8 9.9 7.8 6.0 10.8 85.3 157.4 0.0 72.5
2012/1 650.0 - - 7.0 - - - - - -
2011/1 150.0 1.1 1.0 1.0 28.5 56.5 21.1 0.2  0.3
- - - - - - - - - - -

コメント

・2016/1期以降、大手ディスカウントショップとの取引拡大に伴い、増収基調で推移している。
・2010/3の設立以降、自己資本比率は低水準で推移しており、近年は10%を下回る水準にあった。
・買掛債務回転期間は1ヵ月を下回る水準で推移しており、高級ブランド品を扱う仕入先に対して、不利な支払条
件で取引を行っていた可能性が高い。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として「借入依存度」と「CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)」に注目した。
・借入依存度は、70%を超える水準で推移している。当社は、高級ブランド品の輸入卸・販売を展開しており、支払サイトが短い
中、商品仕入に係る運転資金を借入に依存する体質が続いていた。
・2019/1期のCCCは、100日超で推移している。繊維・衣服等卸売業の業界平均(77.0日)を大きく上回る水準で推移してお
り、商品仕入から販売代金回収までの現金循環期間が長く、資金繰りに負荷がかかっていたと推察される。
・下表は、各指標の倒産確率を示したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であるといえよう。

○卸売業における借入依存度(集計期間:2018/4~2019/3)...2019/1期 87.6%
借入依存度全体50%未満 50%~60%未満60%~70%未満70%以上
倒産倍率

1.00倍

0.48倍 1.09倍 1.40倍 3.24倍
○卸売業におけるCCC(集計期間:2018/4~2019/3)...2019/1期 119.2日
CCC全体0日~60日未満 60日~90日未満90日~110日未満110日以上
倒産倍率

1.00倍

0.77倍 1.02倍 1.09倍 2.40倍

CCC = 売掛債権回転日数 + 棚卸資産回転日数 - 買掛債務回転日数
   卸売業平均・・・33.5日 繊維・衣服等卸売業平均・・・77.0日


4.総評

・本件は、脆弱な財政状態の中、多額の売上高を依存していた大口販売先との取引が停止し、資金繰りが破綻したケースであ
る。
・大口販売先との取引開始後、売上高は急拡大した一方、仕入先に対する支払サイトは短く、増加する必要運転資金は借入
に依存せざるを得ず、財政状態は脆弱な状態であった。
・かかる中、大口販売先との取引が停止したことにより、資金繰りが急激に悪化し、倒産に至ったものである。
・本ケースは、財政状態や資金状況のほか、取引先との仕入や販売状況を捉えることで、倒産の兆候を把握することが可能で
あったといえよう。

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