月次倒産分析レポート

【倒産分析レポート】(株)レナウン

2020年7月 1日更新

1.会社概要、倒産経緯

・1902年創業、東証一部上場のアパレル製品製造・卸売業者。戦後の衣服洋装化を背景に事業を拡大し、ピークとなる1990/2期には2,317億円の売上高を計上していた。
・2000年代に入りファストファッションの台頭に伴うアパレル業界の競争激化やEC展開の遅れにより、徐々に業績が悪化し、2010年7月には中国の山東如意科技集団有限公司の傘下となって業績回復を目指したものの、2019/2期の売上高は、ピーク時と比較して5分の1以下の水準まで落ち込んでいた。
・かかる中、2019/12期に山東如意グループの香港企業に対する多額の回収遅延が発生し、資金繰りが逼迫。山東如意の業績悪化により支援が得られない中、新型コロナウイルスによる営業自粛の影響により資金繰りが限界に達し、民事再生の申請に至った。

2.決算データ

決算期売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期利益
(百万円)
配当自己資本
比率(%)
借入
月商比
(ヵ月)
総資産
(百万円)
増減収率
(%)
CCC
(日)

2019/12

35,360.0 ▲ 8,309.0 ▲ 7,809.0 ▲ 6,736.0 45.5 1.5 29,736.0 ▲ 6.4 165.3
2019/2 45,322.0 ▲ 3,131.0 ▲ 2,012.0 ▲ 3,947.0 56.0 1.1 35,939.0 ▲ 7.4 109.4
2018/2 48,940.0 ▲ 893.0 208.0 839.0 58.1 1.1 41,123.0 ▲ 1.1 119.2
2017/2 49,489.0 ▲ 681.0 186.0 ▲ 711.0 64.3 0.0 36,434.0 ▲ 4.6 109.2
2016/2 51,873.0 329.0 564.0 172.0 62.1 0.0 37,482.0 ▲ 2.1 111.4
2015/2 52,982.0 45.0 723.0 68.0 61.9 0.0 39,515.0 ▲ 3.6 88.5
2014/2 54,943.0 ▲ 94.0 428.0 ▲ 503.0 63.3 0.0 37,268.0 1.0 64.3
2013/2 54,411.0 ▲ 1,074.0 ▲ 752.0 293.0 63.9 0.0 33,965.0 ▲ 0.4 62.7
2012/2 54,619.0 ▲ 506.0 ▲ 334.0 1,863.0 62.7 0.0 34,578.0 0.7 65.9
2011/2 54,236.0 1,078.0 687.0 342.0

39.4

3.8 50,025.0 ▲ 11.1 57.4

コメント

・競争力の低下に伴い、連続減収、連続赤字で推移していた。
・2019/12期は、53億円の回収遅延に伴う、貸倒引当金の計上により、大幅な営業赤字を計上していた。

3.データの分析

・本ケースを分析する指標として「連続減収期間」と「CCC」に着目した。
・アパレル業界の競争激化やEC展開の遅れにより、業績は低迷。中国企業への傘下入りやリストラ敢行も経営改善には至らず、直近では6期連続の減収が続いており、売上高の減少に歯止めがかからない状態であった。
・2019/2期から2019/12期のわずか10カ月の間にCCCが55.9日も伸びていることから、債権の回収が滞り、資金繰りが急激に悪化したことが推察される。
・下表は、各指標の倒産倍率を示したものである。この結果からも、当該指標が倒産分析に有効であると言えよう。

○卸売業における連続減収期間(集計期間:2019/4~2020/3)...2019/12期 6期連続減収
連続減収期間全体1期減収2期連続減収3期連続減収4期以上連続減収
倒産倍率

1.00倍

0.66倍 0.96倍 1.37倍 1.58倍
○卸売業におけるCCC(集計期間:2019/4~2020/3)...2019/12期 165.3日
CCC全体0日~30日未満30日~60日未満60日~90日未満90日以上
倒産倍率

1.00倍

0.68倍 0.74倍 1.32倍 2.26倍

CCC = 売掛債権回転日数 + 棚卸資産回転日数 - 買掛債務回転日数


4.総評

・本件は、業績悪化に対して海外資本の注入による立て直しを図るも、十分な効果を得られず、倒産に至ったケースである。
・当社親会社山東如意の傘下である香港企業への回収遅延が発生し、資金繰りが厳しくなる中、新型コロナウイルスの感染拡大による営業自粛の影響が最終的な倒産の引き金となった。
・本ケースのように、業績悪化に対して海外企業からの支援を受けた場合には、支援元企業の分析も重要であり、本件は、当社単体の業績悪化のみならず、グループ全体の厳しい経営状態を把握することで、倒産の予兆を把握することが可能であったといえよう。

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